圧迫面接とは?
まず、圧迫面接とは具体的にどういうものかを知っておく必要があります。採用面接に臨む側としては気分の良い話ではないはずですが、志望している企業で圧迫面接が行われる可能性もあるので、対処法を知っておくに越したことはありません。
【応募者に対して威圧的な態度をとる面接】
圧迫面接とは、応募者に対して面接官が威圧的な態度を取ったり、うまく回答できないような質問を繰り返したりする面接方法のことを言います。
きつい口調で問い詰めたり、応募者の発言を頭ごなしに否定したりといった態度を取ってくる場合もあれば、逆に、一切応募者の発言に反応せずに、関心を持たない態度を見せるケースもあるようです。
通常の面接では、面接官がさまざまな質問をして、それに応募者が答える流れで進んでいきます。面接官は終始緊張感を持ったタイプもいますが、多くの場合、親しみやすい態度で応募者の発言を遮ったり、執拗に反論したりもしません。
しかし、圧迫面接の場合、面接官は意地の悪い質問をすることもあれば、応募者の受け答えに対して批判を繰り返す場合もあります。面接官が常に応募者を威圧する態度を崩さないのが、圧迫面接の特徴です。
【圧迫面接を経験した人は多い】
就職ポータルサイト「リクナビ」の調査によれば、多くの学生が就職活動時に圧迫面接を受けた経験があると回答しています。面接官の態度が横柄だったり、応募者の意見を逐一否定したりする面接官が多く、就活生によっては、大声で怒鳴りつけられる経験をした人もいます。
面接官のどんな態度に圧迫感を感じるかは人によって変わってきますが、200人以上の調査対象者のうち、約64%もの就活生が圧迫面接を経験したと回答しているため、企業による圧迫面接は少なからず実施されていると考えるのが自然でしょう。
※出典:リクナビ2022就職準備ガイド『企業はなぜ圧迫面接をする?採用のプロが意図と対処法を解説!』
https://job.rikunabi.com/contents/interview/6830/
圧迫面接が行われる理由
次に、圧迫面接が実施される理由を考えてみましょう。企業によってさまざまな理由があるものの、応募者のストレス耐性やコミュニケーション能力をチェックするために実施されることが多いようです。
【応募者の本音やストレス耐性を知りたい】
応募者の本音やストレス耐性を知るために、威圧的な態度を取ったり、わざと答えづらい質問をぶつけたりする場合があります。
ほとんどの就活生は面接に臨むにあたって、きちんと受け答えの準備をしてきます。そのため、本音を隠して差し障りのない回答に終始してしまうケースは珍しくありません。そこで面接官は、簡単に回答できないような質問や、相手の全く意図していないような質問をしてみることで応募者の本音を引き出そうとするわけです。
あるいは応募者のストレスへの強さを判断するために、威圧的な態度で接したり、発言を執拗に否定したりする場合があります。追い詰められた状況で応募者がどう反応するか、うまく乗り越えられるかを確認しているのです。
【対応力やコミュニケーション能力の確認】
予想外の事態に対応する力や、コミュニケーション能力を確認するために、圧迫面接を実施する面接官も少なくありません。わざと意見を否定したり反論を繰り返したりすることで、応募者が咄嗟にどんな回答ができるのか、深い考えを持って受け答えをしているのかを判断していると考えられます。
または、好意的ではない相手に対するコミュニケーション能力を見るために、一切受け答えに相槌を打たなかったり、まったく興味がないふりをする面接官もいるようです。いずれの場合でも、社会に出てからトラブルにうまく対応できるか、顧客と良い関係を築けるかを判断している可能性があります。
【面接官の能力不足】
応募者を選別するために、意図を持って圧迫面接をしている企業がある一方で、単に面接官の能力不足や精神的な未熟さから、応募者を威圧している場合もあります。応募者にとっては非常に迷惑な話ですが、実際に性格に難がある面接官は少なくないようです。
事実、面接でパワハラやセクハラを経験した学生もおり、面接官本人に圧迫の意図がないにもかかわらず、応募者が嫌がらせをされていると感じるケースもあります。海外では面接を通じた威圧やハラスメントが原因で、メンタルに不調を起こした応募者が訴訟を起こし、企業が賠償を命じられた事案も発生しているようです。
特に、本籍地や両親の出身地などに関する質問は、面接の本来の趣旨とは一切関係がなく、偏見や差別につながるとしてNGとされています。そういった不適切な質問を繰り返したり、侮辱発言をしたりする面接官がいる企業は、企業体質にも問題がある可能性があります。応募者の側から辞退して問題ないでしょう。
参考:厚生労働省『公正な採用選考について』
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo.htm
圧迫面接の特徴
それでは、圧迫面接の特徴をもう少し掘り下げてみましょう。一言で圧迫面接といっても、さまざまなケースがあります。
【なぜ?どうして?と質問攻めにされる】
応募者の回答に対して「なぜ○○なの?」「どうして〇〇ではないの?」といったふうに、質問攻めにされるケースは少なくありません。これは圧迫面接に限らず、通常の面接でも回答を深堀りされることは多いので、突っ込んで質問された時の回答をしっかり用意しておく必要があります。
一つの回答に対して繰り返し質問されると、自分の回答に問題があったように考えてしまう人は多いですが、面接官は自信を持って回答ができるかどうかを判断しようとしています。慌てずに自分なりの回答をするのがベストです。
【発言を否定される】
回答に対して批判的な発言を繰り返したり、その都度発言内容を否定してきたりする場合もあります。適切な回答をしたと思っていても、思わぬ方向から反論される場合もあれば、揚げ足取りのような発言を繰り返す面接官もいるようです。
発言をすべて否定的に返されてしまうため、徐々に自信をなくしてしまう応募者が多いでしょう。しかし、自分のスタンスを崩さず冷静に受け答えをすることで、高い評価を得られる可能性があります。
【高圧的な態度や無表情】
面接官が終始、高圧的な調子だったり、逆に無表情で興味が無さそうな態度をしていたりする場合もあります。応募者が何を話してもまともな反応を得られず、ずっと下を向いて応募者の顔をまったく見ない面接官もいるようです。どのような態度を取られても、自分のペースを崩さずにしっかりと受け答えをするのが良いでしょう。
圧迫面接の対処法
応募者にとって、できれば圧迫面接は避けたいところでしょう。しかし志望した企業に、威圧的な態度で執拗に質問を繰り返してくる面接官がいるかもしれません。突然の事態にも対応できるように、あらかじめ圧迫面接の対処法を知っておきましょう。
【回答できるように準備をしておく】
圧迫面接に限ったことではありませんが、想定される質問に対して、自分の回答をしっかりと準備しておくことが大事です。一つの回答に対して、さらに質問が飛んでくることを予測し、その回答を考えておきましょう。自分なりに「なぜ?」と質問を繰り返すことで、徐々に抽象度の高い本質的な回答ができるようになるでしょう。
あらかじめ回答のバリエーションを増やしておけば、質問を繰り返されても落ち着いて回答が可能になります。就活仲間にも協力して貰い、お互いに質問し合って受け答えに慣れておくのも良い方法です。
【面接官はわざとしていると考える】
圧迫面接を受けた際、相手の面接官は「わざと威圧的に振舞おうとしている」と考えることで、ある程度は冷静な受け答えができるようになるでしょう。面接官という立場上、応募者に意地の悪い質問をしたり、悪態をついたりしていると解釈するわけです。
あるいは、相手をじっくりと観察することで、気持ちを落ち着ける方法もあります。感情的になって悪態をついている人と、何らかの意図があって威圧的な態度をとっている人とでは、立ち居振る舞いにどうしても差が出てしまうものです。
こちらが面接官になった気持ちで相手を観察してみましょう。面接官が仕事で威圧的なキャラクターを演じていると分かれば、落ち着いて受け答えができるようになるはずです。
【冷静に対応する】
発言を全否定されてしまったり、回答に窮する質問を繰り返されたりすると、不快感を感じる人もいれば、反抗的な態度になってしまう人もいるでしょう。しかし、面接官は応募者の受け答えをしっかりと観察しています。感情的になってしまうと、ストレス耐性がないと判断されてしまうかもしれません。
自分のペースを崩さずに、淡々と受け答えをすることが大事です。常に相手に観察されていると考えて、面接官のどんな態度にも冷静に対応するように心がけましょう。
圧迫面接の例と回答
最後に、圧迫面接でありがちな面接官の発言や、質問に関する受け答えのポイントを挙げておきます。実際の場面を想定して、しっかりと回答できるようにしておきましょう。
【「うちの会社向いてないよ」】
面接官に「うちの会社向いていないよ」と言われてしまった場合、動揺してしまう人も多いでしょう。しかし、その言葉に折れてしまうと、入社意欲がないと思われてしまう可能性があります。
面接官は応募者が本当にこの会社に入りたいと思っているのかを確認しているので、相手の意見を一度受け入れつつも、しっかりと入社したい理由を述べると良いです。逆に、意欲の見せどころと考えると良いでしょう。
【「その考え方じゃ通用しない」】
投げかけられた質問に回答したところ、面接官に「そんな考えじゃ通用しないよ?」と言われてしまう場合もあるかもしれません。自分を否定されてしまったように感じじるかもしれませんが、これは人間性を否定しているわけではなく、「その回答では不十分ですよ」という意味です。
面接官はもう少し踏み込んだ回答や、深く考えた答えを聞きたいと考えている可能性が高いでしょう。自分のスタンスは崩さずに、しっかりと根拠を示して考えを伝えるようにすると良いです。
【「第一志望じゃないですよね?」】
面接官に「ウチは第一志望じゃないよね?」と聞かれることも想定しておきましょう。本当に第一志望ならば、はっきりと否定して第一志望であることを伝えれば問題ありません。しかし、実際に第一志望ではなかった場合、人によって受け答えに差が出てくるはずです。
無理をして第一志望だと伝えることもできますが、他の企業と比較しながら自分にベストな選択肢を模索していることを正直に伝えた方が、正直で魅力的な人材だと思われる可能性もあります。実際、第一志望ではないと伝えても、結果的に内定を貰った就活生は少なくありません。自分の状況を素直に伝えるのが良いでしょう。
感情的にならずに対処しよう
圧迫面接の特徴と対処法を解説しました。圧迫面接にはさまざまな理由があり、応募者の性格やストレス耐性を見極めようとしている可能性があります。「なぜ?」「どうして?」と質問攻めにされることも多いため、動揺せずにしっかりと回答できるように、自分の答えを準備しておく必要があります。
感情的にならず冷静に対応する必要がありますが、もし明らかな侮辱をしてきたり、質問がNGとされている内容を質問してきたりする面接官がいたら要注意です。企業体質に問題がある可能性があるので、状況によっては応募を辞退した方が良いかもしれません。
面接は企業側が応募者を見極める場であることは間違いありません。ですが、逆に応募者側が企業を評価する機会でもあります。面接官とのやり取りを通じて、本当にこの企業が自分に合っているのかも、冷静に判断するようにしましょう。
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