自己PRで見られるポイント

自己PRは自分の長所を書くだけでなく、どんな点をチェックされているのか考えながら内容をまとめることが重要です。よく見られているポイントを紹介します。

【企業の求める能力を持っているか】

自己PRは、自分の『特技・長所・技能』などをアピールするために設けられています。企業は自己PRを通じて、どんな能力を持つ人が応募してきたのか知りたがっているのです。

企業によって求める能力は違います。コミュニケーション能力を重視する場合もあれば、困難な状況でも努力できる忍耐力を求めている場合もあるでしょう。

人によっては、得意とすることが何種類もあるかもしれません。企業がどんな能力を求めているかを、しっかりと把握した上でアピールしましょう。

【人柄と企業の文化がマッチしているか】

企業は応募者の能力だけでなく、人柄についても知りたがっています。自己PRから性格面も読み取りたいと考えているのです。「この人と一緒に働きたいな」と思える部分をアピールすることが重要といえます。

業種は同じであっても、企業によって経営理念や社風はそれぞれ異なるでしょう。どんなに優れた能力を持っていても、企業の文化とマッチしていないと採用されづらいです。例えばチームワークを重視する社風なら、協調性のある性格がマッチします。

企業ごとの違いを理解した上で、自分が持っている特徴の中から、ぴったりなものをアピールしましょう。

自己PRで見られるポイント

NGな自己PR

迷いながら自己PRを書くと、評価されにくい内容になってしまうことがあります。採用担当者から評価されない自己PRの特徴を知り、当てはまる部分がないかチェックしましょう。

【結論が見えない】

読み手の気持ちになって考えると、話の要点が見えない文章は読む気が失せてしまうことが理解できます。前置きが長過ぎると評価が下がるでしょう。

人気がある企業には多くの応募者が集まります。採用担当者はたくさんのES(エントリーシート)をチェックし、使える人材かどうかを判断しなければなりません。

残念なことですが、自己PRを必ず最後まで読んでもらえるとは限らないのです。結論が見えない書き方をしてしまうと、良い部分をアピールできないうちに、読むことを打ち切られてしまう可能性もあるでしょう。

【伝えたいことが分からない】

何が言いたいのか、よく分からない書き方をすることはNGです。どんなに素晴らしい能力を持っていても、うまく伝えられなければ、ないのと同じになってしまいます。

ビジネスの現場では『必要事項を簡潔に伝える力』が必要です。伝えたいことが分からないと、論理的な伝え方ができない人だと思われてしまい、評価が下がるでしょう。

回りくどい書き方や曖昧な表現は排除し、伝えたいことを率直に書くことが大事です。一文が長過ぎると、何が言いたいのか分からなくなりやすいので、読みやすく整理してまとめましょう。

【具体的な例がない】

自己PRにどんなに良いことが書いてあっても、具体例がないとイメージが湧きづらく、印象が薄くなってしまいます。

粘り強い性格をアピールしたいと思っても、『私は粘り強い性格なので、最後まで仕事をやり抜きます』と書いただけでは、どんなふうに粘ってくれるのかが見えてこず、説得力に欠けます。

『いつ、どこで、何を考え、どんなことをして、結果を導き出したのか』を意識しながら、具体例を出して伝えるようにしましょう。

NGな自己PR

自己PRを書くときのポイント

上手な自己PRの書き方には、コツがあります。コツさえ分かっていれば、評価される書き方を身に付けられるでしょう。読み手に伝わる自己PRを書くためのポイントを紹介します。

【結論から書き始める】

自己PRの構成は、『結論→理由→具体例』の順番で書きましょう。

『私の強みは、どんなときも物事の良い部分を探せるところです』というように、結論から書き始め、なぜそうなのかという理由に続けます。

もしその企業が前向きな性格の人を求めているなら、読み手は最初から『自社の業務に合いそうな人』と感じ、期待感を持って読み進めるはずです。

読み手の気持ちを考えた構成にすることで、効果的なアピールができるでしょう。

【具体的なエピソードを出す】

強みや長所だけを抜き出してみると、努力家・粘り強い・明るい性格など、ほかの人とも共通するものが並ぶことになってしまいます。しかし強みや長所に具体的なエピソードを足すことで、個性を出せるでしょう。

同じように努力家という性格だったとしても、どんな背景を持っているかには個人差があるものです。

不調に負けず部活を続けたという人もいれば、尊敬する人の行動に影響を受け、努力の大切さを知ったという人もいるでしょう。具体的なエピソードを出すことで『どんな人物なのか』を詳しく伝えられます。

【強みをどう生かせるのかを説明する】

ただ自分の美点を述べるだけでは、自己PRとして効果的とはいえません。企業は、長所を生かしてどのように働いてくれるのかを知りたがっています。

持っている強みを生かし『企業にどんなメリットを与えられるのか』を、伝えましょう。

例えば『私は人の良い部分を見つけることが得意なので、どんな人とでも、うまく仕事を進める方法を見つけられます』というように、自分の強みと企業への貢献を結び付けて、アピールすることがポイントです。

その人の強みが業務内容とマッチしていればいるほど、企業側は採用したいと感じるでしょう。

自己PRを書くときのポイント

自己PRが見つからない人は

誰もが自分のことを深く理解しているわけではありません。中には、自分には長所や強みが何もない、と考えてしまう人もいるでしょう。

自己PRが見つからない人や、うまく書けない人におすすめな方法を紹介します。

【自分史を使って振り返る】

自己PRがうまくできない人は『自己分析』が足りていないと考えられます。自分史を作成すると、自己分析に役立つでしょう。

自分史は、自分の歴史を簡単にまとめたものです。中学校・高校・大学と、カテゴリーを三つに分けて、それぞれの時代で最も力を入れて取り組んだことを書き出しましょう。

振り返った内容を基に『なぜ取り組もうと思ったのか』『具体的に何をしたのか』『困難に感じたのはどこか』などを書き出し、掘り下げていきます。

中には、失敗した出来事しか浮かばない人もいるかもしません。そんなときは、失敗に対しどのように取り組んだのか、取り返すためにどんな努力をしたか、などを書けば性格が見えてきます。

【身近な人に自分の特徴を聞く】

恩師・家族・友人などの身近な人に、自分の特徴を尋ねてみることもおすすめです。客観的な視線で自分を見ているつもりでも、他人の目で見てもらうと意外な特徴を指摘されることもあります。

自分では短所と思っていた部分が、長所であることに気づくかもしれません。反対に、長所だと思っていた点が自信過剰であったという場合もあるでしょう。

色々な特徴が出てきて迷ってしまう場合は、共通点を探します。自己分析と他者からの評価に共通点があれば、より強い特徴になるはずです。

できるだけ他者からの意見も取り入れると、独りよがりな自己PRになってしまうことを防げます。

自己PRが見つからない人は

ジャンル別自己PRの例文

自己PRを上手に書くポイントは、結論を述べてからその理由に移り、具体的なエピソードの中でどんな行動をし、何を得たのかを語ることです。

最終的に企業にどう貢献ができるかにつなげると、まとめやすいでしょう。アピールしたい長所別の例文を紹介します。

【行動力をアピールする例文】

私の長所は行動力があるところです。大学1年生のとき、自転車に乗って東京から名古屋まで一人旅をしました。

挑戦した理由は、自分の体力を試してみたかったことと、電車や飛行機を使った旅行では見えない景色を見てみたかったからです。

ときには地元の人に道を教えてもらい、軒先を借りて休憩しながら、2週間かけて352kmを走破しました。私はこの旅を通じ、忠告を素直に受け入れることの大切さや、人々の温かさを学びました。

途中で引き返すことなくやり遂げたのは、自分の力だけでなく、助けてくれた人々のおかげだと思います。仕事でも周囲の人々への感謝を忘れないようにしながら、行動力を発揮していきたいです。

【協調性をアピールする例文】

私の強みは周囲と協力し合って、物事を成し遂げられるところです。昨年、熊本豪雨の被災地でのボランティア活動を通じて、まったく知らない人々と協力し合って作業に当たりました。

最も大変だと感じたのは、作業がなかなか進まないことによる、モチベーションの低下です。苛立ちから、ボランティア同士でケンカが起きることもありました。

問題が起きたときは必ず話し合いの場を設けて、理解を深めるように努めました。ぶつかり合うことが多い人同士には、物理的な距離をとってもらうことで問題を解決することも多かったです。

コミュニケーションの機会が増えたことで、励まし合って作業を進められるようになり、やる気も深まりました。

この経験を生かし、どんな状況でも周囲を理解するように努め、チームワークを大切にしながら仕事を進めたいです。

【忍耐力をアピールする例文】

私は忍耐力に自信があります。高校2年生のとき、ソフトボール部の試合中にケガをしてしまいました。

完治するまでに1年以上かかるということで、レギュラーをあきらめるしかない状況に陥りました。しかし競技を続けたい気持ちが強かったため、リハビリをしながら部活にも参加し続けました。

プレイできない分、チームメイトの練習を手伝ったり、裏方の仕事に力を入れたりしました。思うように動けず悔しい思いをしましたが、プレイヤーの立場ではできなかった、貴重な経験をしたと思います。

辛いことがあっても、あの時期を乗り越えられた自分の力を信じることで、くじけずにやり抜いています。この経験で培った忍耐力を生かし、どんな困難にぶつかっても貴社での仕事をやり遂げたいです。

ジャンル別自己PRの例文

自分の強みを把握して適切に企業にPRしよう

自己PRを上手に書けない人や、そもそも長所がないと感じる人は、徹底的に自己分析をすることが大事です。掘り下げが足りないと、内容が薄くなってしまうでしょう。

自分史を作ると、これまで経験したことを通じて自分を見つめ直せます。ときには他者に自分の特徴について尋ねながら、長所や特技をまとめてみましょう。

根拠のない自信は読み手に評価されないため、アピールしたい強みへの信頼性を高めてくれる具体的なエピソードを交えることが大事です。

また、自分の強みを知ってもらうだけでなく、どうやって企業に貢献していくのかをアピールすることも忘れないようにしましょう。

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